3月2日にWTI原油先物価格が一時1バレル=116ドル57セントをつけ2008年9月以来13年半ぶりに高水準に達したと、ニュースにありました。4月は乱高下しましたが、現在1バレル=110と依然高い水準が続いています。その影響でガソリン価格の高騰が続いており、家計へ与える影響は大きいのではないでしょうか。今回は原油価格について書きます。まずは原油価格の推移から見てみましょう。
【図1】
原油は消費地別に3つの市場が形成されています。①世界最大の消費国であるアメリカを中心とする北米市場。②西欧先進諸国を中心とした欧州市場。③日本を含めたアジア市場です。この3つで原油市場の取引市場の名前が違いますのでおさえておきましょう。
①WTI(West Texas Intermediate)はニューヨーク商業取引所(NYMEX)で上場された原油先物取引の価格
②ブレントはロンドン国際石油取引所(IPE)で上場された原油先物取引の価格
③ドバイ原油は東京商品取引所(TOCOM)に上場された中東産原油の原油先物取引の価格
一口に原油価格といっても取引市場やエリアによって3つの価格があります。図1をみると2004年頃までは原油価格も低い水準が続き、2008年位まで上昇、一旦下降したのち昨年から一気に上昇しています。私は25年前に車にのりはじめましたが、ガソリン価格は1リッター90円程度だったことを覚えています。そこから比べると最近のガソリンの金額は異常に高く感じるのは当然ですね。次に原油の生産量について確認してみましょう。
【図2】
原油というと中東とイメージがありますが、1日あたりの原油の生産量が多い国はアメリカです。なのでWTIの価格が世界で影響力があるのことにもうなずけます。ついでサウジアラビア、ロシアと続きます。中東全体でいうと生産量は多いものの生産量が各国で違うので石油輸出国機構(OPEC)をつくって経済、供給の面での安定をはかっています。ちなみにOPECの主要6か国(サウジアラビア、ベネズエラ、イラン、イラク、クウェート、アラブ首長国連邦) のみで世界の原油確認埋蔵量の2/3を占めると言われています。原油価格も需要と供給のバランスで価格が基本的には決まりますので、特に自分の国が原油の輸入を頼っている国に問題があると価格に影響してきます。今起きているロシア問題はヨーロッパの国々にかなりの影響を与える可能性があります。原油のニュースをみる場合に上記の情報をもとに考えると面白いかもしれません。
今回は原油価格について書きましたが、また続きの記事も書いていきますので楽しみにしておいてください。記事を読んでいただいてありがとうございます。今後運営の参考にさせていただきますのでよろしければ下記よりアンケートにご協力ください