3月10日にシリコンバレー銀行(SVB)が経営破綻し、米預金保険機構(FDIC)の管理下にはいりました。SVBの総資産は2022年12月末時点で2,117億ドル(約28兆円)と全米16位でした。これは2008年に破綻したワシントン・ミューチュアルについで2番目の規模となります。SVBの他にも8日にシルバーゲート銀行(2022年12月時点の総資産約1兆6200億円)が自主精算、12日にはシグニチャー銀行(2022年12月31日時点の総資産約14兆8,900億円)が破綻しています。景気への影響を抑えるために預金全額を保護すると発表されています(基本的にはFDICが保護する預金上限額は1口座当たり25万ドル)。また世界有数の投資銀行、クレディ・スイスについても経営不安のニュースがでています。運用・投資をしている方(今から始めようとしている方)にとっては非常に気になるニュースだと思います。まずはアメリカの株価の代表的な指数、ニューヨークダウ(NYダウ)、SP500の3/1と3/17の終値をみてみましょう。
3/1 NYダウ SP500
32,661.84 3,951.39
3/16 NYダウ SP500
32,246.55 3,960.28
一時は6%程度下がりましたが今は持ち直しています。中央銀行の動きですが、欧州中央銀行(ECB)は16日に主要政策金利を0.5%引き上げ3.5%にすると決定しています。3/21~3/22にはアメリカFRB(米連邦準備制度理事会)がFOMC(連邦公開市場委員会)を開きます。ここで政策金利を引き上げるかどうかが注目されています。これは何故かというと、SVB破綻の一つの原因は2022年にはじまった政策金利の引き上げ0.25%→4.75%による保有している債券価格の下落があげられるからです。なぜ債券価格が下落が破綻の原因の一つかは銀行の財務内容にあります。つまり銀行はお客様から預かったお金をすべて現金で保有しているわけではありません。預かったお金は貸出したり有価証券(株式や国債)で増やしています。なのですぐに現金化できるお金は限られています。引き出しする人(会社)>現金の状態になると有価証券(株式や国債)を売却しなければいけなくなります。なので債券価格の下落も今回のSVB破綻の原因の一つにあげられるわけです。
今回の銀行破綻は金融市場にとって大きなトピックです。当面は不安定な状況が続きそうですので、経済ニュースはチェックしましょう!
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