前回はこの10年の日本銀行の政策と経済指標について書きました。前回の記事にありましたがこの10年は物価安定目標=2%の達成に向けて様々な金融緩和策をしてきました。難しい単語も多く、理解は難しいので2つの単語(消費者物価指数、金融緩和)について解説していきます。
※前回の記事はこちら
【消費者物価指数(CPI)について】
消費者物価指数は聞いたことがあると思いますが、何故日本銀行は消費者物価指数2%を目標にしているのでしょうか?このことを考えるために、まずは物価について考えてみます。
物価は経済活動が活発となり需要>供給の状態になると上昇率が高まります。逆に経済活動が停滞して需要<供給の状態になると上昇率が低下します。
「経済活動が活発=お金とモノが動く」ことなので、「消費が活発になる」→「会社の利益につながる」→「従業員の給与が上がる、新たに人の雇用がうまれる、設備投資が増える」などの状況が考えられます。
消費者物価指数2%を目指すとは、結果的に景気をよくすることを目標としています。ちなみに需要>供給が続く物価上昇は「デマンドプル型」と呼ばれます。それに対して円安やコスト上昇による物価上昇は「コストプッシュ型」と呼ばれます。
※参考 総務省統計局HP 「消費者物価指数に関するQ&A」
https://www.stat.go.jp/data/cpi/4-1.html
【金融緩和とは】
前回の記事にありましたが、2012年10月にデフレ脱却むけた取り組みを公表しています。デフレ=消費者物価指数が前年比マイナスの状況だったので、それを+2%にするためにおこなったのが強力な金融緩和です※上記のように世の中にお金がいきわたるイメージ。
一般的には「金融緩和=金利の引き下げ・通貨の流通量を増やす」を表します。金利の引き下げの効果のイメージは下記のようになります。
日本銀行が金利引き下げ(金融緩和)
⇓
民間銀行が低い金利でお金を調達が可能になる
⇓
企業や個人への貸し出し金利が下がる
(預金・住宅ローン・貸し出し金利が低くなる)
上記の効果で期待されること
・企業も個人も借入(ローン)に対する利息が少なくなるので使えるお金が増える。個人においては預金金利が低くなるので、預金より消費に向かいやすい。
過去の消費者物価指数(CPI)をみてみると従来の金融緩和策では2%になかなか到達しませんでした。そのため更なる金融緩和策として「マイナス金利付き」「長短金利操作付き」の量的・質的金融緩和を導入しました。今後金融政策が変更になるとすると日銀の金融決定会合にて「金融引き締め」「ゼロ金利解除」などの単語がニュースにでてくると思いますのでチェックしていきましょう。
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